※必須※ 熱を取る
目次
なぜ冷却が必要?

なぜなら、「痛みを減らす」にはそれしか方法がないからです。
例えば…
「痛み」の段階には5段階あります。

❶激烈炎症期 (3日間前後)
❷急性炎症期 (~1週間)
❸慢性炎症期 (~2週間)
❹高原性経過期 (炎症期~半年・数年に及ぶ場合もある。不安定期ともいう)
❺平癒期 (症状が安定し、少しくらいの疲労などでもぶり返さない状態)
痛くて歩けない、安静時でも激痛、薬が効かない、お風呂に入ると余計に痛い…であれば間違いなく❶に該当します。
これは、ただの炎症期ではなく『激烈』炎症期です。
経験された方はお分かりかと思いますが、呼吸もしにくい、冷や汗が出る、人によっては身体全体が熱い、喉が乾いたりなどもしてきます。痛みがきつすぎるのでそれどころではありませんが…
火傷をした時、何をします?
落ち着くまで冷やし続けますよね?
理屈は全く同じです。
火傷=皮膚損傷による炎症
腰の痛み=仙腸関節、腰椎損傷による炎症(※損傷ヶ所による)
しかも痛みがきついということは激烈な炎症期(炎症反応が高い)=関節内に熱がこもってるということでもあります。

※患部を触るとよくわかります。
それだけ「炎症」を起こしているということです。
炎症を落ち着かせる方法はたった1つ…
徹底的に「熱」を取り続けることです。
だから、激痛でつらいのであれば氷で熱取りをしましょう。
冷却すると血行が良くなる
患部は熱取りをしましょう
なぜなら、余分な(炎症)熱が取れて血流を良くすることができるからです。
例えば、少し考えていただきたいのですが、冷却時、皮膚が赤く見えますよね?
これはなぜでしょうか?
実際冬場など外に出られた際、お肌が赤くなったり、または缶ジュースを指で掴んだ際、掌が赤くなったりした経験はありませんか?

人間は体を冷やすと血管が収縮し、温めると血管が拡張するのですが、局部的な温度変化があった場合、(患部を冷やし温度変化を出した場合)そこの部分だけ血管を拡張し、血流をよくする事で細胞を守るようにできています。
冷却時皮膚が赤く見えるこの人間の防御反応をシャンティング反応(血管拡張に伴う血流の増加)と言います。
つまり、冷やすことで患部の炎症熱は取れて、血流を良くすることができるということです。
だから、そのためにも患部は熱取りをしましょう。
冷却の仕方
捻挫・打撲・挫傷・その他の痛み・熱感のある患部(膝水腫、五十肩、テニス肘、寝違え、腱鞘炎など)を、「氷」で熱を取る事により「炎症」を抑えその後の「回復」に違いがでます。
運動後の障害ケア、慢性障害(オーバーユース)の予防のためにも、冷却は効果的です。特に運動後すぐと、入浴後も行うとより効果的です。
プロの選手・アスリートが試合後すぐに行っているアイシングと一緒です。
冷却の仕方
冷凍庫から出した氷は、表面に霜がついていて、-10℃から-20℃にも下がっています。そのまま直接皮膚の上に置くと、凍傷を起こすことがありますので、必ず氷の表面が少し溶けてからか、一度水で洗ってから、使うようにします。
必ず「氷」を使って下さい。アイスノン、アイスパック等は使わないで下さい。
①氷は普通のビニール袋に1/2から2/3くらい入れます。
②袋のなかで氷が遊ばないように、袋の口をよじりながら、しっかり空気と水を抜き、口の先のほうで結びます。
③氷をまんべんなく広げて、皮膚に直接当て、最低30分以上冷やします。長ければ長いほど効果がでます。
冷却中は・・・
①痛い(ジーンとくる痛み)
↓
②ピリピリする(針でつつかれるような感じ)
↓
③感覚がなくなる。
という順番で感じるまで冷却します。
冷却により
「炎症の波及効果」を食い止め、
「細胞」の正常化や完全な治癒が多く見られ、
「病的増殖反応」を抑え、「組織の修復」のための環境作りをする。

どれくらい冷やせばいいの?
冷やす時間は患部の損傷状態によって変わりますが、急性的症状(痛みがきつい)時は氷襄で30分以上(氷が溶けきるまで)冷やします。

これを最低1日5セット以上は行って下さい。
痛めてから時間が経ち、我慢できない程の痛みでない(痛みが少しマシになってる状態)場合は1日2~3セットくらいは行っていただくといいです。
熱取りの期間の目安は「完全に痛みが去るまで」となります。
患部が変形してて尚且つ、熱を持ってるなら…1日中アイシング(徹底的にこまめに熱取り)してもいいと伝えております。
『食事してる時』
『運転してる時』
『帰宅してから患部が気になる時』
『入浴後』
『座ってる時』
『連続歩行後』
意識すれば冷やす時間なんていくらでも作れるはずです。
『なんでもかんでも闇雲に冷やせばいい!』っていうわけではありませんが、患部に熱があって重だるさがあるのであれば、冷却は必須です。
ながら冷やし

『ながら冷やし』をしましょう。
なぜなら、痛みが出にくいからです。
例えば、座ってる時間が長くなると熱膨張で腰に痛みが出やすくなります。
しかし、『ながら冷やし』をするとその痛みは出にくくなります。
だから、『ながら冷やし』をしましょう。
座っても痛いなら…
座っても痛いなら横になって「ながら冷やし」しましょう
なぜなら、座ってても良くならないからです
例えば、座ると仙骨が後ろに倒れてしまいます(仙骨を寝かせた状態になります)

傷んでるのに座ると余計に傷口に刺激を与えるだけで良くはなりません。
だから、座っても痛いなら横になって「ながら冷やし」しましょう
運転中も
腰が痛いなら運転中も、氷で「熱取り」をしましょう
なぜなら、少しでも楽に過ごせるからです。
例えば、運転していると車のエンジンの振動により骨盤関節は傷んできます。

傷んでくると「炎症反応」が起きてきます。
そこで事前に「熱取り」をしてると少しでも楽に過ごせます。
だから、腰が痛いなら運転中は、氷で熱取りをしましょう。
スマホやパソコン利用前後も
スマホやパソコンを使った後は、首の後ろや目をアイシングをしましょう
なぜなら、目の疲れが取れるからです。
例えば、パソコンやスマホを使うことで「2つのエネルギー」が目に蓄積されます
1つは画面から発するブルーライトによる「光エネルギー」
2つは小さな文字を目で追うことで生まれる「運動エネルギー」
「光エネルギー」も「運動エネルギー」も形は違えど、どちらも同じく、蓄積すると「熱エネルギー」という形に転換されます。
目が疲れた時に、目の奥が熱く感じたり、頭がボーッとするのはそのためです。
だからスマホやパソコンを使った後は、首の後ろや目をアイシングをしましょう
『ながら冷やし』をする時は「簡易コルセット」を使いましょう

なぜなら、しっかり熱取りできるからです。
例えば、ズボンに挟んで過ごしているといつのまにか氷嚢がズレて落ちてしまうことがあります。

これでは熱取りの効果が落ちてしまいます。
でも固定させるとしっかり熱取りできますよね?
だから、『ながら冷やし』する時は簡易コルセットを使いましょう。
寒冷アレルギー、皮膚の弱い人は
皮膚の弱い方が熱取りをする時は「水」や「蒸しタオル」「患部のみ露出」で熱取りをしましょう。
なぜなら、皮膚に負担をかけずに熱取りができるからです。
例えば、氷で熱取りをすると皮膚がピリピリして痛みとして感じやすくなりますが、
水や蒸しタオルで冷めるまで熱取りをするのであれば、皮膚に負担がかからず熱取りができます。
だから、皮膚の弱い方が熱取りをする時は水や蒸しタオルで熱取りをしましょう。