「マッサージ」を受ける時は慎重になりましょう。

なぜなら、マッサージを受けることで

「筋肉」を痛める

「バランス」が悪くなる

上記の2点が起こるからです。

❶「筋肉」を痛める

例えば、少し専門的な話になりますが、筋肉は筋線維と呼ばれる細い糸状の組織で構成されています。
ただ、糸状の線維だけではバラバラになってしまいますので、それらを同じ動きをするもの同士をひとまとめにラップで包むような構造になっています。このラップの存在を筋膜といいます。

(強く)押したり揉む行為を繰り返していると、ラップの役割を果たしている筋膜が傷つきます。

当然、断裂してるわけでもないので損傷しても修復されます。
しかし、修復過程で、本来、柔軟性に富んだ筋膜が肥厚し硬くなってしまい、線維化という状態になり、最悪、筋膜どうしが癒着することになります。

こうなると、スムーズな動きが妨げられ、筋膜間の滑らかさがなくなり、血管、神経圧迫などが起こり違和感や不快感、痛みを感じることになります。

正常な筋膜のイメージ図
筋肉の動きに合わせて均等に伸び縮みする
マッサージ等でダメージを受けた筋膜のイメージ図
マッサージの刺激により筋膜の線維が切れてしまう
ダメージを受けて修復(瘢痕組織)された筋膜のイメージ図
修復されたところが瘢痕化して筋肉の動きに合わせて均等に伸び縮みできない

“強い力で押したり揉んだしするマッサージ”をよく受ける方は、心当たりがあるかもしれませんが、受け始めた頃は、軽い力で揉まれても、気持ちが良く、揉まれている感覚もあったはずです。

それがいつのまにか、強い力で揉んでもらわないと、“揉まれている”という実感がなくなり、もっと強い力で揉んで欲しいと思ったことはありませんか?

上記の内容を読んでいただくと、その理由が納得していただけると思います。

筋肉は通常、筋収縮と弛緩がバランスよく行われています。しかし、押す、揉む行為で筋組織が損傷していくと、筋線維内にカルシウムが残留してしまいます。

こうなると、さらに筋肉が硬くなってしまいます。

つまり、マッサージを受けると筋肉が痛んで硬くなるということです。

❷バランスが悪くなる

では、もう一つ、マッサージを受けると「バランスが悪くなる」点についてご説明いたします

例えば、真ん中に支柱をおいたテントを想像してください。

これを作るには一本の支柱を真ん中に通して、左右前後の地面にテントの杭を打ち安定させますね。 支柱が何かの拍子で支点を狂わせ、左側に傾く力がかかるとしたら、テントはどうなるでしょうか?

テントは、右側の膜を張ることによって、倒壊を防止する役目をします。

しかし、その膜を上から何かしらの外からの圧力がかかれば、膜がダルダルになってしまい…

テントを保持している杭も緩み、もはやテントは建つことができないことでしょう。

その場合、これを修正させるには、

崩れた軸を修正

膜の張力(筋肉の張り)の修正

外からの圧力を(一点圧)をかけない

上記の3点で、真ん中に支柱をおいたテントに戻っていきます。

では、これを、人の首周辺に見立ててみましょう。

頚椎という1本の支柱があり、周りには僧帽筋を始め沢山の膜があり支柱を安定させている。それによって頚椎の上にある頭を安定させている。

何かのエネルギー(外力)を与えた結果、支柱が不安定になったとしたら、筋肉という膜が一生懸命その倒壊を防止する役目をするのですが、マッサージで強圧を加えることで膜を緩ませ、その結果、支柱の不安定を生む。

ただし、人間は生きているので必ずそれに抵抗します。

緩めば、それを補うように膜が強化されます。

つまり、前にも増して頑固な筋肉になり、ちょっと揉むだけではビクともしなくなるということです。

そうなると、自分の力ではもの足りなくなり、力の強い方に押してもらう。そして更に強い力でそれを体が修復しようとします。

悪循環に陥ります。

しかし、人間の防御にも限界があり、それにも増して膜を緩ませれば、軸が不安定になるのは想像つくでしょう。

話が長くなりましたが、上述のようにマッサージを受けると「筋肉」が痛んで「バランス」が悪くなります。

だから、マッサージを受ける時は慎重になりましょう。

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