関節を温めてはいけない理由
関節を温めるのは控えましょう
なぜなら、変形するからです。
例えば、少し考えていただきたいのですが、骨や軟骨を含め、人間の組織は、何からできているかを知ってますか?
骨はカルシウムという認識の人が多いと思いますが、実は骨の8割はたんぱく質で、残りの2割がカルシウムです。
またさらに考えていただきたいのですがたんぱく質ってどんなものか知っていますか?
知ってる方もいると思いますが、たんぱく質は「熱に弱い」という大きな特徴があります。
たんぱく質の熱変性は42.4度から始まります。
卵の白身を想像していただければわかりやすいと思いますが、非常に熱に弱い物質です。温泉卵であるように、40度以上あるお湯に浸かれば、10分ぐらいで白濁して組成が「変性」して形を変えて固まってしまいます。
つまり、人間の体、関節も熱に弱いということです
人間の関節も同じように、熱を続けると関節を構成する上下の骨がドローっと徐々に融け始め形を変えていき、変形性関節症になってしまうということです
だから、関節を温めるのは控えましょう
でも私、冷え性だし…
しかし、とはいうものの、「冷え症」だし温めないと余計に冷えてしまうじゃん!ってなりますよね?
そんな方は連続して歩く習慣をつけましょう。
なぜなら、連続して歩くことで冷え性が改善されていくからです。
例えば、冷え性の方に共通して言えることは、普段から連続して歩く習慣がないことです。
歩くことで、熱を生み出す力が生まれ、冷え性が改善されていきます。
だから、冷え性の方は連続して歩く習慣をつけましょう。
冷え性になる理由
冷え性になるのは歩行不足だからです
歩かない人は、PSw(プレスイング)が出なくなり、ふくらはぎを使う習慣が少なくなります。
第2の心臓と言われる『ふくらはぎ』を使わないと身体中に血液が巡らなくなり、冷え性になるんです
必要以上に温めるのは控えましょう
必要以上に温めるのは止めましょう
なぜなら、摩擦が増えて骨(関節軟骨)がすり減ってしまうからです
例えば、関節の骨と骨の間には軟骨があります。
その軟骨は「スポンジ」のような構造をしており、そこから関節液(油)が滲み出るようになっています。
「スポンジ」のように圧迫されては油が滲み出てきて、離すと吸収され、滑らかに動いたり、「クッション」の役割をしています。
その油が温められることで必要以上に「サラサラ」になりすぎて、「クッション」の役割が失われ、膝への衝撃や摩擦が増えてしまい、骨(関節軟骨)をすり減らしてしまします。
だから、それを避けるためにも必要以上に温めるのは止めましょう。
人間の体はタンパク質、脳は脂肪組織、どちらも熱に弱い
温泉卵はご存知ですよね。
40度以上の温泉に卵を浸からせると、数十分で温泉卵が出来上がります。
中がトロッとしてとっても美味しいです。
卵の主成分は蛋白質です。
人間の体と同じ成分(蛋白質)なのです。
例外なく人間も40度以上のお湯に無理して浸かれば、温泉卵のように蛋白質が凝固してして細胞死してしまいます。
その前の危険サインが“のぼせ”ということになります。
のぼせを無視して浸かっていれば死んでしまいます。
体のサインを無視して長湯していると、ただただ体力を奪われるだけですので本当、気をつけてほしいものです。
温めると痛みがマシになるんだけど?
「お風呂で体を温めると痛みがマシになるんです!だから温めています」
患者さんからそういうことをお聞きすること、よくあります 笑
それはマシになってるのではなく、ただ感覚が鈍くなってるだけです。
温めると気持ち良くなってボーッとしませんか?
それで痛みを感じるのも鈍くなってるだけです。
先ほどの記事にも書きましたが、冷めてきましたら痛みを増してきますよ?
また、激烈の炎症期【痛みがきつい時】にお風呂に入ると、余計に痛みがキツくなります。
火傷したとき温めますか?
氷で熱取りしますよね?
それと全く同じです。
また、激烈の炎症期【痛みがきつい時】は、喉が乾くことがあります。
それだけ体内の水分が熱で失われてるということでもありますので、水分を取る。患部を氷で熱取りが必須になります。
電気治療(ホットパック、遠赤外線、干渉波、低周波、)も同じ…
難しい話になりますが…
電気エネルギーは、熱エネルギーや位置エネルギーなどに変換されて働きます。
電気を流す物は基本的に熱も発します
つまり、熱エネルギーです。
逆効果です…
早く痛みを減らしたいのであれば、余計なこと(逆効果になること)はしないことです。
冷やすと痛みは減らすことはできる
上述のように温めると確かにその時は痛みはマシになります
しかし、温めて、感度が鈍くなり、痛みを落ち着かせても、患部が冷めてきた時には『熱破壊』によってさらに痛みを増し、炎症を長引かせます。
温めると、感度が鈍くなり、痛みが感じにくくなってるだけ…
一方、冷やす方は炎症反応による熱をスムーズに捨て、新鮮さを保ち、(患部の)温度が徐々に戻ってきた頃には本当の意味で回復を促した事になります
冷やすと、炎症反応による熱は減らせるので、痛みの原因は除去できる
前者と後者、あなたはどちらの方が良いですか?
それでも、あなたは、温めますか?
痛めてるところは冷やせばいいの?温めればいいの?
生理的局所冷却法
ほとんどの痛みは炎症。つまり、熱です。
関節痛…温める?冷やす?
関節の痛みは、温めても冷やしても抑えられますが、関節をきれいに治すのは冷やす方法に限られます。
雨戸をイメージしてください。雨戸はレ-ルにはまっていればスム-ズに動きますが、レ-ルから外れると擦れて動きが悪くなります。このように擦れる時は必ず、摩擦熱が生じます。痛みのある関節は、関節炎や筋肉炎といわれます。レールから外れた雨戸のように、骨と骨がうまく連結していない関節に摩擦熱がたまり、炎症を起こすからです。
どうして痛みを感じるのか?
潤滑不全の関節には摩擦熱が出てきます。摩擦熱が一定以上たまると、熱に弱いたんぱく質は壊れてしまいます。熱が関節の細胞の膜(たんぱく質を含む)を壊し、細胞の内容物が細胞の外に流れ出ると化学反応がおこり、連鎖的に破壊が広がると炎症になります。関節を警備する神経は、普段見かけない不審な物質を見つけると、異常事態の発生のメッセージを脊髄という回線を通して、警備本部のある脳に連絡します。脳はそのメッセージを「痛み」として感じ取り、異常部位を知る。というのが痛みを感じるしくみです。
痛みをなくす方法
体に異常があっても、その情報が脳に伝わらなければ痛くありません。医療では、薬や熱で脳や神経を眠らせる方法をとります。歯の治療の麻酔注射は神経の伝達を遮断するので、歯を深く削っても痛みを感じません。整形外科では痛い関節を温め、神経の感度を低下させて痛みを抑えます。
神経の働きと「温度」
神経や脳は基本的にたんぱく質と脂肪でつくられているので、その感度は温度に大きく左右されます。
私達の神経や脳は、涼しい場所では敏感になりますが、温かい部屋や風呂では弛緩して眠くなります。
腰痛の人は、寒い日や生鮮食品売場などの冷える場所では痛みが増し、温かい日や風呂で温まると痛みが和らぐことを経験的に知っています。これは温めると感覚神経が一時的に鈍るだけで、歪んだ関節が治るわけではありません。冷えると痛くなる理由は感覚神経が鋭敏になるためで、関節の歪みが増すわけではありません。
温める治療が神経を眠らせて痛みを緩和する恩恵だけであれば、温熱治療に全く異論はありません。しかし「温めると関節の熱や炎症が増して、関節内のたんぱく質がもっと壊れる」という副作用を知ると、「冷却しましょう」と主張せざるをえなくなるのです。
生理的局所冷却法
過剰な熱はたんぱく質を壊しますが、冷やせばたんぱく質を熱から守ることができます。 「冷えると痛くなる?」 使い捨てカイロなどで温めた後、必ずそこの温度は平常温度に戻ります。すると眠っていた神経が正常な活動を再開して、異常のメッセージを脳に伝えるので痛みだします。それを「冷えるとよくない」と学習してしまうと、痛む場所を使い捨てカイロや、遠赤外線やサポーターや風呂で、常に温めるようになります。 「温熱療法の副作用」 いつも痛い所を温めて続けていると、現代医学では治りにくい慢性関節痛になってしまう恐れがあります。常に関節に熱を加えるので、関節内の柔らかい細胞だけでなく、硬い骨まで溶かして「変形性関節症」になるからです。
対して、冷やす療法は関節炎の熱をとり、たんぱく質を守ることを第一の目的にしています。熱がとれると化学反応が減るので、痛みが消える鎮痛効果も得られます。つまり、生理的局所冷却法は一石二鳥なのです。
「痛み(炎症)を冷やす」。これは、考えてみればごくあたりまえの対応です。むしろ、昔から言い伝えられ、常識化した「痛み(炎症)を温める」という方が不自然です。病院では「この痛みは筋肉や関節の炎症ですから、冷やさないように温めてください」といわれます。あらためて考えると、おかしな話ではないでしょうか?。
冷却療法の効果
- 熱によるたんぱく質の破壊を食い止める
- 鎮痛効果 … 冷やし始めの3~5分は神経が高感度になるために痛むような感じがすることもありますが、20~40分ほど冷やして炎症熱が減ると化学反応も減るので、本当の意味で痛みが抑えられます。しかも鎮痛剤や温熱療法より副作用がなく安全です。
- 血行が盛んになる … 冷却をした後は、新鮮な酸素を含んだ血液が盛んに流入してきて、冷えた局所の温度を上げると同時に関節の修復と浄化を促進します。
「膝に水がたまる」 … これは、自己防衛の姿です。膝関節の炎症を、体内に豊富にある水を集めて冷まそうという反応です。これをただ邪魔扱いして抜くのはよくありません。膝関節を冷やして防衛力を援護してください。
保温と加熱は全く違う
注意しなければならないのは“保温”と“加熱”では意味合いが違うという事です。
私たちは、平熱からわずか0.5℃温度上昇するだけで、体調を崩し仕事も手につかなくなります。 1.5℃も上がれば歩くこともままならなくなり、かなり危険な状態になります。
これは、冷える方よりも熱が上がる方に、人間は許容値がないということを明らかにしています。
要するに、人間にとっても傷む原因は卵や魚と同様に“熱”であるということが証明されたようなものです。
ですから、いくらアイシングすると言っても、他の部分を加熱してしまうと、そこの細胞は熱破壊をお こしてしまい収拾がつきません。
しかし、平熱である37℃ぐらいを保つように工夫するのであれば、これは“保温”になりアイシングが有効に働きます。
これが、保温と加熱の違いです。 具体的には…
1 .腹巻をするのは保温、カイロは加熱。
2.湯たんぽで布団を温めるのは保温、電気毛布は加熱。
3.風呂にサッと入るぐらいなら保温、何十分も長湯するのは加熱。
4.痛む個所を遠赤外線やマイクロ波で照射するのは重度の加熱。
冬場、何度も何度も温泉に入り、長湯することで湯あたりして倒れて救急車で運ばれる事がよくあると聞きます。
湯あたりは、まさに加熱が過ぎた症状です。
風呂は、サッと入って温まったらサッとでて、冷えないうちに衣服を着ることが、大事です。
よく、ぬるま湯で長湯すると良いといわれていますが、これはむしろ、熱を排出するのに体がエネルギーを使ってしまい、かえって疲れを残してしまいます。
気をつけていただきたいものです。
温めると血行は良くなる
確かに温めると血行は良くなります。
しかし、それは余分な熱を捨てたいからです。
人は 36.5℃前後の平熱を保つように出来ています。
それよりも1、 2℃高いだけで調子を崩し、 40℃を超える と組織を壊してしまいます。
平熱以下であれば平熱ぐらいまで体温を上げるために温めるのは必要です。
平熱を維持できてるのに余分に温める必要なんてありません。
もし、体に患部(痛めてるところ)が存在すれば、その状態で温めて血行を良くすると…ただでさえ炎症している患部に余分な熱が加わり、 急速に熱を捨てている状態になります。
これは全く意味もありません。
というより悪くなることをしてるということになります。
逆効果…
一方、冷やす方には細胞レベルで+0°Cまで冷やしても安全性が確認されています。
冷やすと血行は良くなる
患部は熱取りをしましょう
なぜなら、余分な(炎症)熱が取れて血流を良くすることができるからです。
例えば、少し考えていただきたいのですが、冷却時、皮膚が赤く見えますよね?
これはなぜでしょうか?
実際冬場など外に出られた際、お肌が赤くなったり、または缶ジュースを指で掴んだ際、掌が赤くなったりした経験はありませんか?
人間は体を冷やすと血管が収縮し、温めると血管が拡張するのですが、局部的な温度変化があった場合、(患部を冷やし温度変化を出した場合)そこの部分だけ血管を拡張し、血流をよくする事で細胞を守るようにできています。
冷却時皮膚が赤く見えるこの人間の防御反応をシャンティング反応(血管拡張に伴う血流の増加)と言います。
つまり、冷やすことで患部の炎症熱は取れて、血流を良くすることができるということです。
だから、そのためにも患部は熱取りをしましょう。