「関節」の動きを滑らか(潤滑)にする
目次
人の体は重力の中でうまく機能するようにできています。
このことを関節を例にとって解説すると、人の関節は、骨と骨との間に関節包という袋があり、その中には関節液という液状のものが満たされて構成されています。
わかりやすくいうと、ガラス板のようなつるつるの板の上にサラダ油などを塗って、もう1枚ガラス板をはさんだようになっています。この上になったガラスを上方にしきはがすようにすると、サラダ油の吸着力で動きません。
ところが上からぐっと踏んずけてやれば、ちょうどバナナの皮を踏んだように、ズルっと動きます。
これがバイオ tribology 『生体潤滑理論』です。
①関節には、骨と骨の間に関節包という袋があり、その中に関節液が入っています。
ガラスの上に油を塗ってもう1枚ガラスを乗せたようなものです。
②これを両側から引っ張ると関節内が陰圧になり、関節の動きは悪くなります。(図2)
③逆に油の上に置いたガラスを上から押し付けてみると、スルスルっと滑ります。(図3)
人の体は関節に限らず、様々なところで1Gという重力のもと機能するようにできています。
低気圧になるとからだの不調が出てくる【関節内は膨張傾向になりシビレや痛みが出てくる】のを考えてもわかりますね。
よって牽引などの非重力状態をつくり出すことは、体にとって非常に悪いことです。
何らかの原因で継続して関節に牽引力が働いた場合(非重力状態=非生理状態)、痛みを伴うことがあり肩や首、腰などの慢性痛などになります。
具体的にはハリ感やつまり感などと言われるものです。
またそれらの原因は、はっきりわかるものもあれば、あなたの日常生活の中でのクセや筋力の低下、考え方など様々な要素が絡んでいる可能性が考えられます。
慢性痛となると特にその原因は複雑かもしれません。
悪くなってしまってる状態を改善するには・・・
筋肉をマッサージしてほぐしたり、関節をボキボキと鳴らしてグッと動かしたり、必要以上に体を温めたり、電気をあてたりするのではなく、
上述のように
その重力にきちんと対応できるようにするには
身体の軸を整える(関節の整復)
普段の身体の使い方を変えていく
関節の動きを滑らかにする(関節の整復+荷重トレーニング+連続歩行)
上記の3点をせずして症状改善などあり得ません。
レオロジーとは何ぞや!?
『レオロジー』は言葉や概念が難しく、なかなかとっつきにくい学問でもありますが、レオロジーで扱われる現象というのは、案外身近な現象が多いんです。そこで、そんなレオロジーについて、少し噛み砕いて説明していきたいと思います。
まずは「粘度」の概念について考えてみましょう。
レオロジーを理解する上で重要なことの1つに「粘度」があります。一般に粘度とは、液体(流体)の流れにくさを表すもので、粘度の高い物質は流動させるために大きな力を加える必要があり、粘度の低い物質はわずかな力で流動させることが可能です。
例えば、コーヒーと蜂蜜をそれぞれコップに入れてコップを傾けたとき、重力により粘度の低いコーヒーはすぐに流れ出ますが、粘度の高い蜂蜜はなかなか流れ出てきません。
つまり、このとき粘度は【コーヒー<蜂蜜】となります。
では、蜂蜜とマーガリンでは、いったいどちらの粘度が高いのでしょうか?
さきほどと同じように、マーガリンと蜂蜜をそれぞれコップに入れて傾けた場合は、蜂蜜は流れ出しますが、マーガリンはコップの底でその形を保持したままで、流れ出ることはありません。しかし、ナイフでトーストに塗るときは、マーガリンも蜂蜜も同じくらいの力で塗ることができます。さらに、蜂蜜とマーガリンを同じ分量ずつ、それぞれボウルに入れ泡立て器でかき混ぜたとすると、マーガリンは案外小さな力でかき混ぜられますが、蜂蜜をかき混ぜるにはかなり大きな力が必要になります。
ということは、粘度は【蜂蜜<マーガリン】、であり【蜂蜜=マーガリン】であり、【蜂蜜>マーガリン】でもあるのです。
これは、マーガリンはかける力によって粘度が変化しているからなのです。
レオロジーでは、前述のコーヒーや蜂蜜のように、与える力によって粘度の変わらないものを「ニュートン流体」といい、マーガリンのように与える力によって粘度が変わるものを「非ニュートン流体」といい、区別しています。
例を上げると、水、食用油、水あめ等は粘度の違いこそあれ、ほぼニュートン流体ですが、ケチャップ、マヨネーズ、ヨーグルト等は非ニュートン流体にあたります。
当院では、手技によって、このレオロジー特性から人間にも外部から『わずかな力=荷重』を加わえると内部の状態に変化が起きる現象を臨床応用し、施術を行っています。
今の痛みやシビレを取りたいなら…
「カラダの軸」を修正させて「荷重」をかけていく時間を作りましょう
なぜなら、それで 関節は滑らかに動くようになり痛みやシビレは取れてくるからです。
例えば、痛み(シビレ)が出てる状態は軸がズレて荷重がしっかりとかかっていません。
その状態で過ごすことでどんどん痛みや痺れが酷くなってきます。
だから、痛みを取りたいなら「カラダの軸」を修正させて「荷重」をかけていく時間を作りましょう