『走る』のは体にいいの?
『走ったり、運動をすることはカラダにいいのですか?』
こういったご質問をよくいただきます。
基本的にスポーツ(運動)は運動能力を磨いていくものであって、身体を回復させるものではありません。
人間は二足歩行をするとき、左右の足で交互に地面を(斜め後ろ方向へ)蹴ることで前方への推進力を得るが、両足が同時に地面に接する瞬間が無いような移動、あるいは両足が同時に地面から離れる瞬間がある方法のほうを「走る」
常にどちらかの足が地面についているように脚を交互に動かす移動方法のほうは「歩く」と言います。
走る、歩くは身体の使い方が全然違います。
スポーツ(運動)も、競技によって不規則な動きが多く、真剣にやればやるほど身体に負担がかかります。
つまり、競装に勝つためや、特殊な運動能力を磨くためにスポーツをするのであれば話は別ですが、痛んだ身体を回復させるためにスポーツを選択するというのは…どうでしょうか?
痛んだ身体は、どのようにして回復させていくのでしょうか?安静にすれば治るのでしょうか?
例えば骨折をしてギブスで固められた足は、わずかな期間でも驚くほどやせ細ります。
だからといってむやみに動かすと再受傷してしまいます。 足が折れたのであれば、最低限必要な固定、安静に止め、「足」を作ってきた「関節の力」を取り戻すことが必要になります。
人間の足は「歩行」によって作られたものです。
自分の体重で、自分のペースで歩く事で、痛めた足に(歩くことで生まれる)荷重が加わり、それを身体が思い出し、元の状態に回復させていくんです。
これは骨折に止まらず、これはすべてのケガに言える事です。
腰を痛めたとしても「歩行」することで本来の状態に戻っていきますし、肩を痛めたとしても歩いて腕をリズミカルに振りバランスをとる事で良い具合に治まっていくのです。
体のどんな場所も「歩行」によって作られてきた訳ですから、痛めたところを回復させていくのに「歩行」は欠かせない運動となります。
「歩行」は失ったバランスを取り戻す、何よりも大事な生命活動です。